札幌JAYCEE育成会議
塾長 伊澤 祐輔
私は、札幌青年会議所には本来このような役職は無いほうが良いと考える者の一人ですが、自らの最終年度にあたりその任に就きました。
当育成会議の運動内容については別項のように事務局長も述べているので割愛しますが、この一年間の運動の根底には、現在の札幌青年会議所が置かれている状況・立場を考えての理由があります。
当育成会議は当初、礼儀・礼節を年次の若いメンバーに教え込むという役目がありました。しかし同様のことはあまたの人々がここ数年来行なってきたことでありますが、残念ながらその効果が薄かったのが現実です。そこで、ただ単に礼儀・礼節のことを教えても定着しないと考え、育成塾の対象を年次の若いメンバーを中心としつつも、全メンバーに拡大して事業を行って参りました。
なぜ、礼儀・礼節が必要なのか、その理由を自らの経験と一般的な状況という両面から説き起こし、だから○○という形や行動、言葉が出るのだというように多少体系付けて塾長講評でお話をしました。
青年会議所はまちづくり団体であるという看板は下ろす必要はありませんが、それ以前に自らの信用を高めることや他人をどのように気遣うかという心の修養が何より大切・大事と考え、これまでJCライフを過ごしてきました。このことは色々な表現で多くの諸先輩が仰ったことであり、全国いや全世界でも札幌青年会議所に色濃く残る美風だと自負して参りました。
今述べことが無い限り、どんなに格好の良い事業を行なっても、どんなに大勢の参加者を集める事業を行なっても、誰にも賛同はされませんし、人の心に訴えかける何かも残りません。
我々は、明るい豊かな社会の実現から恒久的な世界平和を希求する、崇高な理念・目的を持つ志を持った者の集団です。
人間は「時代」に逆らうことは出来ません。しかし青年会議所運動は「時代」を作る力となることが出来ます。過去に学び、近い将来に必要とされるであろう考え方や行動を事業として構築し、何度も手を変え品を変え世の中に問うことが我々に課せられた責務であり、それが青年会議所運動そのものです。
また、メンバーは、自分に対しては常にさげすむことなく、また他者に対しては常に寄り添い慈しみの気持ちを持って接しなければなりません。そして謙虚であらねばなりません。それが無いと社会変革運動の先頭に立つリーダーとはなれません。
2013年度以降のメンバー、そして、まだ見ぬ将来のメンバーに対し、次の言葉を贈ります。
吉田松陰「今日よりぞ幼心を打ち捨てて 人と成りにし道を踏めかし」
古人曰く「わざわいは口より出でて身をやぶる さいわいは心より出でて我をかざる」
私が今日あるのも、橋本毅先輩の教えと導きのお蔭であり、また杉山充宏先輩の深い愛情に育てていただいたお蔭です。心から感謝申し上げます。また多くの諸先輩、現役メンバーにも深く感謝申し上げます。
これから青年会議所運動に身を投じる諸君には、自らがどのような立場にあっても、どんな社会のささいな疑問や矛盾に対しても「なおもっと」の探究心を持ち、今から少しでも「まし」な世の中をつくっていくという気概をも持ち、なおかつ大きな視点と細心の着手点を以って、新たな第一歩を力強く踏みだして欲しいと心から願い、期待するものであります。
この期待と激励と感謝を以って、塾長報告に代えさせていただきます。ありがとうございました。