監  事 田中 良弘

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監  事 田中 良弘

 第25回国際アカデミーの開催地として大きな担いを背負ってスタートした2012年度の(社)札幌青年会議所は、過去最高のアカデミーを目指す高いこころざしとその運動をいかに国際都市札幌の創造に結び付ける事ができるのかに苦心した一年だったのではないでしょうか。

 過去の国際アカデミー開催報告書や開催地LOMへの聞き取り調査でも、開催後の地域活性に繋げた事例は少なく、あくまでも参加したデリゲイツの為のリーダー育成プログラムでありました。

 そのような過去の事例を踏まえながら、「国際都市札幌の創造に繋げる為には」の議論を重ね、内容を積み上げる作業に多くの時間を費やしながらも、開催地としての国内、国外PR活動が始まり、引きずられるように月日があっという間に流れ、骨子は固めながらも詳細まで煮詰め終えないうちに、待ったなしの状況になっていたように思われます。そして開催された第25回国際アカデミーは、開催地としての役割はしっかりと演じきり、大きな混乱やトラブルもなく成功裏に終え、多くの賛辞をいただくことができたことは、多くのボランティアのご協力とメンバー一人ひとりの努力の成果だと胸を張って言い切ることができるのではないでしょうか。その背景には、60数年に渡って積み上げてきた一意団結して多くの諸大会を成功させてきた札幌JCプライドがあり、多額の内部留保のおかげで、資金集めに奔走しなくてすんだ事があると思います。そして、多くの時代を担う子ども達に感動や気づきの機会を与え、喜んでいただけた事は、開催地としての大きな成果の一つになったと思います。

 もうひとつの大きな命題として、社団法人改革にともなう法人各移行がありました。

 2007年に公益社団法人各取得を目指す決議を取ってから今年度まで様々な要因を鑑みながら先送りにしてきた結果、気が付けば後が無い段階になっていました。慌てて関係各所と真剣な協議をした結果、当時と状況が大きく異なり、「公益」よりも「一般」社団法人格取得がこの組織にとってより良いのではないかとの結論に至り、時間が無い中、「一般社団法人各取得を目指す」との新たな決議を総会でいただくことになりました。総会で賛否の意見が多くでた事は、十分な説明の時間が無かった事と、過去数年に渡って、しっかりと専門家のアドバイスを仰ぎながら真剣に取り組んで来なかった事が大きな要因でした。役員の一人として、大いに反省すべき事だったと思います。

 2010年度から最重要課題として取り組んできた会員数の増加も3年連続での純増という成果を達成する事ができました。しかしながら200名突破という目標は達成する事ができなかったので、次年度以降も引き続き、成果をのこせるよう取り組んでいただきたいと思います。

 監事という役職から組織を一年間みさせていただいた中で思うことは、様々な面から組織が硬直化してきているのではないか、本音よりも見栄や建前を優先した事業構築になっているのではないかと言うことです。時代に合わないルールや無駄だと思いながらも前例を踏襲したり、安易に事業の組み立てをして結果失敗に終わり、報告書の次年度以降への引継ぎには打合せ不足や準備不足による失敗を記載する事が多く見受けられました。貴重なお金と時間を使っているという意識が不足しているように思います。青年会議所が行なう事業は、前提として解決すべき問題があり、その問題解決には私達の力が必要であり、その取り組みを行なった結果どのような成果がもたらされるのかという事をよくよく考えて事業を組み立てていただきたい。まだまだ私達が関わるべき問題がこの社会には多く存在していると思われます。ぜひ、お金と時間を有効に活用し、地域社会から頼りとされる組織であり続けていただきたいと心から思います。

 一年間、大変お世話になりました。ありがとうございました。