八月「札幌コミュニティ構築」例会報告

日   時 2012年 8月25日(土)

場   所 札幌市立白石区民センター

担当委員会 札幌コミュニティ構築委員会

 

【公益性に関わる事項】

 

(1)「公益目的事業」該当項目:

 4.高齢者の福祉の増進を目的とする事業

 7. 児童又は青少年の健全の育成を目的とする事業

19.地域社会の健全な発展を目的とする事業

(2)上記の項目を実現する事業実施において注力する点

 地域コミュニティ構築の重要性を市民にわかりやすく発信し、地域コミュニティの活性化に繋げます。

 

【参加対象者及び人数】

 

(1)地域ワークショップ(防災すごろく)

 ①第1回地域ワークショップ

  54名

   対外対象者:市民 54名

 ②第2回地域ワークショップ

  16名

   対外対象者:市民 16名

 ③第3回地域ワークショップ

  11名

   対外対象者:市民 11名

(2)八月「札幌コミュニティ構築」例会

 153名

  対外対象者:市民  69名

  対内対象者:正会員 84名(出席率 51.2%)

 

【事業内容】

(1)各町内会への事前調査

札幌市内にある90の連合町内会及び防災の観点から特筆すべき地域での取り組みを行っている単位町内会に対して例会構築の為の事前調査を行いました。

(2)地域ワークショップ(防災すごろく)

オリジナルの防災すごろくを4人3~4テーブルに分かれて行いました。

 ①会場選定及び変更の理由

  Ⅰ.円照寺

   先方の都合により会場の利用が出来なくなった為、同じ円山地区の円照寺にて開催いたしました。

  Ⅱ.苗穂・本町地区センター

   戸建の多い伏古本町連合町内会にご協力いただき苗穂・本町地区センターで実施いたしました。

  Ⅲ.澄川まちづくりセンター

   地域防災に積極的に取り組んでいる先進的地域である澄川地区にある澄川まちづくりセンターにて

   実施いたしました。

 ②開催当日の進行内容

 Ⅰ.意見交換

  防災すごろくを行う前に地域に対する意識を調査する為に意見交換を行いました。円照寺では子どもの

  参加が多かった為、防災すごろく(子ども版)を用い、他の2地域では防災すごろく(大人版)を用いました。

 Ⅱ.ブリーフィング(導入)

  防災すごろくを理解していただく為に説明を行いました。

 Ⅲ.ゲーム

  実際に防災すごろくを行っていただき、終了後、得点を計算していただきました。

 Ⅳ.デブリーフィング(まとめ)

  ゲーム終了時にゲームの目的や効果を説明いたしました。

 Ⅴ.アンケート

  防災すごろくを行った後の地域に対する意識を調査する為にアンケートを行いました。

 Ⅵ.意見交換

  防災すごろくで体験した経験を踏まえ、防災すごろくの感想やどのようにすれば地域コミュニティを

  活性化する事が出来るかについての意見交換を行いました。

(3)八月「札幌コミュニティ構築」例会

 ①開催当日の進行内容

 Ⅰ.理事長挨拶 社団法人札幌青年会議所 理事長 林 将告君

 Ⅱ.オープニング映像

  事前調査や特色ある3つの地域で行った防災すごろくを紹介しつつ、防災の観点から地域コミュニティの

  重要性を認識していただくと共に本例会の趣旨を認識していただける内容の映像を流しました。

 Ⅲ.基調講演「地域コミュニティの意義と防災について」

   災害救援ネットワーク北海道 代表 山口 幸雄 氏

 Ⅳ.ワークショップ

  地域の皆様にお集まりいただき、防災の観点から地域コミュニティの果たす役割や現状の取組みや課題に

  ついてワールド・カフェ方式により意見交換をしていただきました。

  【進行内容】

  第1回意見交換

   第1回意見交換では現状の地域コミュニティにおける防災への取り組みに関する情報を共有していただ

   きました。4人~5人1テーブルで行い、設定したテーマについて意見交換をしていただきました。

  第2回意見交換

   第1回意見交換で出た意見を共有すると共にさらに意見交換していただきまました。テーブルに1名を残し、

   他の3名は席替えをして、第1回意見交換のテーマでもう一度意見交換をしていただきます。最初に、

   席替えをしていない方から第1回意見交換で出た意見を話していただいた後に、新たな意見交換をして

   いただきました。

  第3回意見交換

   第3回意見交換では地域防災力を強化していく為に具体的に何をどうすれば良いのかについて意見や

   アイデアを交換していただきました。第1回意見交換の席に戻っていただき、設定したテーマで意見

   交換をしていただきました。

  結果発表

   話し合った結果を複数のグループの代表に発表していただき、参加者で共有しました。

 Ⅴ.パネルディスカッション

  地域コミュニティを活性化する為の方法という方向性で、防災の観点から地域コミュニティはどのように

  すれば繋がりを強化していけるのかをわかりやすく伝えると共に参加者にも一緒に考えていただきました。                 

 Ⅵ.委員会発表       

  各町内会への事前調査の結果、特色の異なる3地域で実施した防災すごろくの成果、地域コミュニティの

  重要性と地域への帰属意識を高める内容の発表を行いました。

(4)当日のスケジュール

12:30  受付開始

13:30  開会

13:31  理事長挨拶 社団法人札幌青年会議所 理事長  林 将告 君

13:34  オープニング映像                            

13:40  基調講演  災害救援ネットワーク北海道 代表 山口 幸雄 氏

14:40  休憩

14:55  ワークショップ

15:45  パネルディスカッション

       パネリスト  災害救援ネットワーク北海道 代表   山口 幸雄 氏 

              札幌市南区澄川地区連合会  会長   中村 誠二 氏 

              社団法人札幌青年会議所   理事長  林  将告 君

              コーディネーター 社団法人札幌青年会議所   常任理事 田﨑 秀明 君

16:35  委員会発表

16:45  謝辞                                  

16:47  閉会

 

【事業実施による効果】

(1)災害ボランティアの第一線で活躍する山口氏に、昨年の東日本大震災の震災の凄まじさを印象付ける秘蔵映像を放映していただきながらご講演いただく事で、参加者に災害の恐ろしさを伝えると共に、ワークショップへの参加意欲を高める事が出来ました。また地域防災力の強化の観点から地域で繋がる事の大切さを感じていただく事が出来ました。

(2)ワークショップでは、メンバーと市民が同席する事で、地域や地域防災、そして地域の繋がりについて、様々な立場で多様な意見交換をする事が出来ました。

(3)パネルディスカッションでは、私たち青年世代が地域の担い手となって、地域の繋がりを感じていく事の重要性を認識していただく事が出来ました。

(4)委員会発表では、各地域ワークショップで行われた防災すごろくを体験した人々がワークショップを経て地域で繋がる事の大切さや地域の為に考え、活動する事の重要性を感じた様子を紹介する事で、参加者が地域防災力の強化の観点から地域で繋がる事の大切さを感じていただく事が出来ました。   

(5)事前調査、地域ワークショップ、八月例会の一連の過程を通じて、私たち青年世代が中心となって地域の事を考え、取り組んでいく必要性を伝えました。

(6)地域ワークショップでは、事前に制作した防災すごろくを体験していただき、地域の防災を一緒に考える中で、日ごろから地域で繋がる事の重要性を認識していただく事が出来ました。

(7)事前調査を通じて判明した地域が行っている防災に関しての取り組みと、地域が抱えている問題点を踏まえて、私たち青年世代が中心となって地域の事を考え、取り組んでいく必要性を伝える委員会発表を行う事が出来ました。

(8)インターネットを通じて例会内容の動画配信を行った事で、会場に来られなかった方にも例会の内容を伝える事が出来ました。 

 

【運営上の問題点】

(1)例会会場が先方の都合により当初予定していた会場と変更になってしまいました。

(2)90の連合町内会全てに足を運んで趣旨説明を行い、参加を促す予定でしたが、先方との日程が合わなかった為に面談が出来ず電話やFAXで事前調査を行わざるを得ない町内会がありました。

(3)一般市民100名を定員として設定させていただいておりましたが、他の地域のイベント等と重なり、参加人数が69名にとどまりました。

(4)第1回地域ワークショップと第2回地域ワークショップの日程を先方の都合によって変更になりました。

(5)山口氏の講演では、事前に何度も打ち合わせをして、防災の観点から地域で繋がる事の大切さを強調してお話していただく予定となっておりましたが、災害の脅威や災害ボランティアを通じての経験談に大部分の時間を費やしてしまった為、防災の観点から日ごろから地域コミュニティを築く事の重要性を十分に伝える事が出来ませんでした。

(6)パネルディスカッションでは、目的に沿ったお話をしていただきましたが、各パネリストの想いが強く、時間が大幅に押してしまう結果となりました。

(7)ワークショップの席替えでは、大勢の人数がランダムに一時に移動しなければならなかった為、どこの席に移動して良いかわからない様子の市民の方が見受けられました。

(8)休憩時間を終えて、参加者の皆様全員が集合時間に集まらず、ワークショップの開催時間が5分遅れ会場を後にしてしまう方も見受けられました。

(9)防災すごろくでは、事前のルール説明だけでは十分にルールを把握しきれない参加者も多かった為、進行しながらルールを覚えていただく事が必要です。

(10)災害に関する映像を見て具合が悪くなったと言う参加者がいらっしゃいました。

(11)参加推進に関してFacebookによる告知は十分な効果を上げられませんでした。 

 

【今後の課題】

 防災すごろくの活用方法

 

【委員長所見】

 人々はインターネットや趣味での繋がりを求め、地域に根差した地縁型の地域コミュニティの存在意義は失われつつあると言われています。そのような中で地縁型の地域コミュニティの必要性と有用性を市民やメンバーにいかに伝えていくかという事で委員会では予定者段階から議論を重ねてきました。その中で、防災、防犯、青少年健全育成という一定の分野においては地縁型の地域コミュニティが必要であり有用なテーマがありました。特に昨年の東日本大震災の経験を踏まえて、地域防災の強化というテーマは誰もが関心をいただいているテーマであり、地縁型の地域コミュニティの意義を市民に発信していく為には最適のテーマであると考えて取り組みを行いました。また、委員会で調査・研究を行い、連合町内会での聞き取りを行った結果、どこの地域も共通の悩みを抱えていました。それは、地域コミュニティの担い手がいない事と地域コミュニティの活性化に向けて最適なツールがないとの事でした。その為、委員会として地域への帰属意識を高める為のツールを作る事が出来ないかという挑戦を行いました。色々なアイデアが出される中で素晴らしいゲームに出会いました。それが防災すごろくです。この防災すごろくを委員会でアレンジをして札幌のまちに合った形にしていこうという事で研究と改良を重ねて3回の地域ワークショップを開催し、防災すごろくが地縁型の地域コミュニティの意義を考える為には効果的なツールである事と改良の為のアイデアをいただきました。 

 例会当日は、事前に何度も何度も確認したにも関わらず、山口幸雄先生の講演内容が地域コミュニティというよりは震災ボランティアに重点を置いた話になってしまい、委員会で考えていたメッセージが十分に伝わらないのではないかという場面もありましたが、パネリストとの打ち合わせを行い、パネルディスカッションで何とか軌道修正をする事が出来たと思います。また、例会当日が地域の夏祭りなどと重なってしまい、十分な集客が出来なかった事が悔やまれますので、十月特別事業においては、出来るだけ多くの地域の代表の方にお集まりいただき、委員会としてのメッセージとこれまでの委員会の成果を広く市民とメンバーに発信していけるように進めて参ります。八月例会の実施に際しては、本当に長期間取り組んで来たと思います。作業時間も多く、準備も大量にあり委員会のメンバーには大きな負荷をかけてしまいましたが、担当の小林副委員長の頑張りのおかげで、無事に例会を終える事が出来ました。

 地域ワークショップを開催させていただいた各地域の皆様、例会当日にご参加いただいた皆様、委員会メンバー、札幌青年会議所のメンバーの皆様には大変お世話になりました。有り難うございました。