副理事長 竹原 慎雅

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副理事長 竹原 慎雅

 第25回「国際アカデミーin札幌」を開催する本年度、国際都市「SAPPORO」の創造を目指した運動を担うグローバルネットワーク構築室を担当させていただきました。1972年に開催された冬季オリンピック札幌大会を契機に国際的な観光都市として発展してきた私たちのまち札幌ではありますが、これからの社会において持続的に発展していく為には、諸外国との市民主導による民間レベルでの異文化間交流を推進し、相互理解を深める事が必要不可欠であります。

 その上で最も重要になるのは、まず私たち市民が真の国際人となる事でありました。では、その真の国際人とは?林理事長が所信に書かれた通り、「言葉や会話のみを重んじるのではなく、相手の文化を尊重しつつも、自らのまちや文化や歴史と言った地域アイデンティティをより深く理解し、様々な国々や地域、人に伝える事が出来る人。」であります。更にはこのような人は物事に対して自国に限った観点では無く、世界というマクロの観点で多面的・対極的に見て考える事が出来る国際感覚を持ち、それを行動に移せる人であると定義付けました。そのような中で、私たちの地域アイデンティティを考えた時、それは正しく先達たちから受け継ぐ「開拓者精神」であり、これこそが札幌プライドであります。

 両委員会には、国際アカデミーという大きな国際事業と連動させながら、どのように国際都市「SAPPORO」の創造に繋げる運動を展開していくかについて、委員会メンバーと共に多くの議論を重ね、事業の構築をいただきました。担当例会・事業に加え、国際アカデミーの運営を主導する委員会として大変な一年間ではありましたが、神代委員長、阿部委員長の素晴らしいリーダーシップと発想力によって、多くの市民のみならず我々札幌青年会議所メンバーにも多くの学びと気付きを与える事が出来たのではないかと感じております。

 

<札幌プライドの発信>

 札幌プライド発信委員会では、国際アカデミーにおける3つの開催地プログラムの企画・運営をはじめ、年間を通して本当に多くの事業を担当いただきました。プログラムの構築ではこれまでの概念や慣例に捉われる事なく、札幌独自のプログラムを企画し、国際人の育成、多文化共生社会の実現、シティプロモートを基軸としたプログラムの実践は、国内外の参加者や協力いただいた多くの市民にそれぞれの目的を伝える事が出来たと確信しております。そして、この事業から学び感じた事を基に実施した十月例会では、国際都市の創造に必要と考える私たち市民の国際感覚を醸成する事業へとつなげ、多くの来場者に発信する事ができました。現代の子どもたちが将来、グローバルな社会で活躍すると共に札幌プライドを広く伝え、世界との友情を育み、札幌が世界中から愛されるまちとなる事を心より願います。どんなに困難な環境や境遇に直面しても、不屈の精神にて前進し続ける札幌プライド。そんなプライドを持って一年間、共に邁進した神代委員長に心から敬意を表します。

<世界へ誇るSAPPORO>

 国際シティ創造委員会では、札幌プライド発信委員会と同様、国際アカデミーにおいて様々な事業を担当いただきました。特に我々が初めて経験するこの事業において、開催までにいかにメンバーが共通した認識を持ち、意識を高めていくかが課題でもありました。そのような中で国際アカデミー事前説明会におけるJCI直前会頭 原田憲太郎君をお招きしての講話は大変に有意義なものとなりました。また、国際アカデミー開催直前となる六月例会では、日本人が世界に伝えるOMOIYARIの心を学ぶと共にメンバーの機運が高められ、国際アカデミー成功へとつなげる事ができた事業となったと思います。

 これからの社会において、民間外交を基軸とした国際交流がより一層活発に行われ、多くの市民が参画するなかで相互理解を深めると共に私たちが誇るまちSAPPOROが世界に伝わる事を願います。

 グローバルネットワーカーとしての経験と持ち前の国際感覚で委員会を牽引し、一年間多くの市民に交流の場を創出した阿部委員長に心から敬意を表します。

 JC運動は何においても同じであると思いますが、我々の一年間の活動において運動として大きな成果や社会の変化を得る事は難しいものです。但し、我々が未来への大きなビジョンを持ち、その実現に向けた実践運動を着実に進めるなかで、市民の意識に変革をもたらし、行動へのステップとつなげていく事が重要です。また、我々自身も運動の本質を見極め、自らで知識と意識を高めながら継続的に行動する事で、市民をはじめとする多くの諸団体からの協力が得られ、JAYCEEとして、青年会議所としての強い信頼につながるものと考えます。

 結びに、激動とも言える2012年度の活動を牽引いただいた林理事長をはじめ、多くの議論を重ね、ご協力いただいた役員の皆様に心から御礼を申し上げます。そして何より、いつも近くで行動を共にし、力強く私を支え下さった中村室長とは掛け替えのない一年間を送る事が出来ました。心から感謝と御礼を申し上げます。

 我々が実践した2012年度の弛まぬ挑戦は、間違いなく61年の札幌青年会議所の歴史に大きな軌跡を残し、明日の札幌青年会議所を創る一歩につなげられたと確信します。