九月「未来のSAPPORO創造」例会

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未来のSAPPORO創造委員会 委員長 池崎 幸

 

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【参加対象者及び人数】
第1回未来のSAPPORO創造レシピ審査委員会
対外参加者:審査委員 3名
対内参加者:理事長(審査委員長) 1名
:未来のSAPPORO創造委員会 11名
第2回未来のSAPPORO創造レシピ審査委員会
対外参加者:特別審査委員 1名
:審査委員 4名
:レシピ提供者(代理含む) 9名
対内参加者:理事長(審査委員長) 1名
:未来のSAPPORO創造委員会 5名
九月「未来のSAPPORO創造」例会
対外参加者:一般市民 92名
(参照:2016年オータムフェスト6丁目会場例会開催時間帯来場者数 6648名)
対内参加者:正会員 113名
シニアクラブ会員 1名
 
【事業内容】
(1)本事業について
当例会は、市民自らが参画して新名物のレシピを作り、札幌の「食」の魅力強化を
図ることで、市民が新たなまちの魅力を創出する機会を与え、かつ、SAPPORO
の新たな魅力を創出しました。また、今ある有形無形の価値を有機的に連携すること
で、個性豊かな魅力あるまちSAPPOROの実現に向け、市民自らが新たな魅力を
創出する機会を提供しました。
①審査委員会
第1回審査委員会では、集まったレシピを札幌や道内を代表する魅力的なシェフ、
多くの生徒を教えてきた調理師専門学校の教師によって、厳正な審査を行いました。
そして、第2回審査委員会では、第1回審査委員会で残った9つのレシピの提供者自
身、やむを得ない事情により第2回審査委員会に参加出来なかったレシピ提供者に関
しては、代理の方に、実際に料理をしていただきました。そして、出来上がった料理
に対して、集まったレシピを札幌や道内を代表する魅力的なシェフ、多くの生徒を教
えてきた調理師専門学校の教師、(一社)札幌観光協会 専務理事による厳正な審査の
下、寸評とアドバイスをいただき、大賞と優秀賞を決定しました。尚、大賞と優秀賞
についての審査はクローズで行いました。
②九月「未来のSAPPORO創造」例会
Ⅰ.委員会プレゼンテーション
札幌の現状と魅力を分析し、個性豊かな魅力あるまちSAPPOROを創造す
るためには、新たな魅力である新名物を作る必要性があることを発信し、レシピ
発表への期待感を高めました。
Ⅱ.料理説明、結果発表
札幌の新たな魅力として公募したレシピの中から選ばれた5つのレシピについ
て説明をし、その中から大賞と優秀賞を発表、表彰するとともに賞状及び副賞を
授与することで、新名物を市民に周知しました。
Ⅲ.無料試食券の配布
食品提供の安全性を確保するため、会場での試食ではなく、レシピ提供店舗に
試食提供を委託しました。大賞レシピの無料試食券を配布することで、市民に新
名物である大賞レシピ試食の機会を与えるとともに、新たな魅力を認知していた
だきました。また、大賞レシピの特別感を演出するために、配布する無料試食券
の枚数は先着順とし、100枚すべて配布しました。
(2)役割について
①メンバー
広く市民から札幌の新しい顔となるレシピを募るとともに、大賞レシピについては、
市内各所の飲食店をまわりメニューに加えていただき、広く提供していただくように
協力を募ることで、新たな魅力を創出することにつなげました。
②審査委員兼料理アドバイザー
理事長には審査委員長に就任していただき、札幌青年会議所の想いを持ってレシピ
を審査していただきました。シェフ、調理師専門学校の教師には料理の専門家として、
これまでの経験を踏まえて多くの人達に愛されるレシピを審査するとともにアドバイ
スをしていただきました。(一社)札幌観光協会には、観光業界の立場として、新たな
SAPPOROの魅力となるレシピを審査していただきました。
(3)レシピのテーマについて
札幌市民が自信を持って自らのまちの新名物として紹介出来るものとし、審査基準
については各項目採点方式としました。
(4)事業後の流れについて
①(一社)札幌観光協会との協力について
(一社)札幌観光協会と連携をお願いいたしましたが、本事業後までの協力は得
られませんでした。本事業開始前に、予め、例会前、例会当日、例会後の協力体制
についてより強い協力が得られるように働きかけを行うべきでした。
②大賞作品提出者について
未来のSAPPOROを創造する担い手として、賞状を贈呈するとともに副賞を
進呈し、提供店には「未来のSAPPORO創造レシピ とうきび豚のじゃがロー
ル~林檎のソース~」というメニュー名としていただき、大賞作品提出者が考えた
メニュー名を残しました。また、大賞作品提供者に、提供店にお越しいただき、実
際にレシピ内容の説明等の協力もいただきました。
③提供店について
協力店は3店舗にとどまりました。協力店へは、来店されたお客様への周知のた
めポップ作成に必要なデータ等を送付し、周知活動を行いました。なお、(一社)札
幌観光協会を通じて本例会の周知活動を行い、メンバーの協力を得て、100店舗
での提供を目指し、合計約150店舗に対し、協力依頼をしたところ、大賞レシピ
の内容次第で協力したいとの回答を36店舗からいただきました。しかし、実際の
大賞レシピをお知らせしたところ、調理に手間暇がかかること、大賞レシピのため
だけに食材調達が必要(とうきび、りんごなど)であることを理由に協力辞退が相
次ぎ、協力店は3店舗にとどまった次第です。また、(一社)札幌青年会議所ホーム
ページやFacebookを利用し、提供店の告知を行う予定でしたが、協力店か
ら安定的に食材が仕入れ出来ないこと、期間限定での提供を理由に掲載を拒否され
たことから告知を行いませんでした。
④レシピ実食webアンケート
レシピ提供店にwebアンケートのQRコードを伝え、実際に大賞レシピ料理を
実食した市民からアンケートを行うことで、大賞レシピが札幌の新名物となり、新
たなSAPPOROの魅力としての効果を検証しました。無料試食券利用は38枚
でした。レシピ実食webアンケート結果によると、「また食べたい」と回答した
方が58%、「友人に教えたい」と回答した方が68%となりました。他方で、「札
幌の新名物として相応しい」と回答した方は53%に留まりました。大賞レシピの
提供期間は約1か月であり、この短い期間で札幌の新名物となるか否かを結論付け
ることは、時期尚早であるが、「また食べたい」「友人に教えたい」のと回答が約6
0~70%であることからすると、新名物としての定着の兆しがあると考えます。
また、「新たな新名物が増えることが札幌の魅力を高めることに繋がると思う」と
回答した方が、95%となり、今後大賞レシピが札幌の新名物となれば、新たなS
APPOROの魅力となると考えます。
 
【事業目的に達した点】
①応募レシピ総数は37通であり、うちJCメンバーによるレシピは17通、一般市
民によるレシピは20通でした。そして、一般参加者アンケート結果によると、「こ
の事業で紹介されたレシピを食べたいと思いましたか」という質問に対し96%の
方が「はい」、「このレシピを友人に伝えたいと思いましたか。」という質問に対し8
9%の方が「はい」と回答をいただき、市民自らレシピ考案に携わり、それを知っ
た市民が共感し、関心を持っていただき、個性豊かな魅力あるまちSAPPORO
の実現に向け、市民自らが新たな魅力を創出する機会を提供することが出来ました。
②大賞レシピは、飲食店にて約3週間で合計38食分を市民に提供いたしました。実
際に食べた方からのレシピ実食webアンケート結果によると、58%の方が「ま
た食べたい」、68%の方が「このメニューを友人に教えたい」と回答し、リピータ
ーや実際に食べた方からの発信により、多くの方に食べていただく道を開くことが
出来ました。これにより、札幌に一般市民による新たな新名物を作り出す一歩を刻
むこととなり、個性豊かな魅力あるまちSAPPOROの実現に向け、市民自らが
新たな魅力を創出する機会を提供することが出来ました。
③一般市民が考えたレシピが審査委員会を経て、本例会で新名物として周知し、飲食
店で提供され、一般市民に広げる機会を作ることによって、個性豊かな魅力あるま
ちSAPPOROの実現に向け、市民自らが新たな魅力を創出する機会を提供する
ことが出来ました。
④協力店は、現在、とうもろこしの調達ができないため、メニューとしての提供を停
止していますが、とうもろこしの旬の時期に再度提供することを前向きに検討して
いただいており、今後、一般市民が大賞レシピを食べる機会を提供する可能性を切
り開けたことにより、個性豊かな魅力あるまちSAPPOROの実現に向け、市民
自らが新たな魅力を創出する機会を提供することが出来ました。
⑤メンバーが、主体的となって、レシピ募集、協力店獲得のための活動をいただき、
短期間の募集期間の中、応募レシピ総数37通、提供店3店舗を確保することが出
来ました。一般参加者アンケート結果によると、「JCメンバーの紹介」により本事
業を認知した方が21.7%となり、メンバーによる発信力が大きかったことが表
れています。これにより、メンバーが個性豊かな魅力あるまちSAPPOROの実
現に向け、新たな魅力を創出することが出来ました。
⑥メンバーから応募いただいた中には、優秀賞に選出されたレシピもありました。メ
ンバーとしてのみならず市民としての参画もいただくことで、メンバーが個性豊か
な魅力あるまちSAPPOROの実現に向け、新たな魅力を創出することが出来ま
した。
 
【事業目的に達しなかった点】
①本例会当日のアンケート回答者である一般参加者が92名に留まり、参加員数計画
の24%、本例会参加者全体の約45%と少ない結果となりました。これにより、
本例会を通じて、一般市民に対し、札幌における新名物の重要性と大賞レシピの周
知を図るという発信力が弱くなってしまい、個性豊かな魅力あるまちSAPPOR
Oの実現に向け、市民自らが新たな魅力を創出する機会の提供として不十分さがあ
りました。
 
②第1回、第2回未来のSAPPORO創造レシピ審査委員会では、ともに担当委員
会である未来のSAPPORO創造委員会メンバーの出席率が半数以下に留まって
しまいました。特に、第2回未来のSAPPORO創造レシピ審査委員会メンバー
は、21%に留まりました。担当委員会メンバーが積極的な活動をしないことによ
り、有形無形の形で、他のメンバーへの活動意欲を向上しきれず、メンバーが個性
豊かな魅力あるまちSAPPOROの実現に向け、新たな魅力を創出することの妨
げの要因となってしまいました。
【実施上の問題点】
(1)レシピ募集については、審査委員からレシピの募集テーマを設定しない場合、レ
シピ考案のきっかけがなく、レシピが考えにくいとの指摘を受けました。レシピ
の募集テーマを絞らなかったことから、レシピ考案のきっかけが乏しく、レシピ
の応募が低調になった一因と考えます。
(2)レシピ募集及び協力店募集については、レシピ募集及び協力店確保にあたり、募
集期間が短いとの指摘がありました。募集期間が短かったこともレシピの応募を
低調とし、協力店確保を困難にした原因と考えられます。
(3)大賞レシピについては、とうもろこし、りんごなど汎用性のない食材を使うこと
や手が込んだ過程を踏むことから協力候補店から難色を示されました。この観点
の配慮がなかったことが、協力店3店舗にとどまった原因であると考えます。
(4)第1回未来のSAPPORO創造レシピ審査委員会については、書面審査でした
が、応募レシピの中には写真がないものが散見され、審査対象が不明確となりま
した。
(5)第1回未来のSAPPORO創造レシピ審査委員会については、第1回未来のS
APPORO創造レシピ審査委員会の会場と第2回未来のSAPPORO創造レ
シピ審査委員会の会場を間違える審査委員がいました。
(6)第2回未来のSAPPORO創造レシピ審査委員会進行については、試食及び寸
評と審査結果集計に時間がかかり、閉会予定時間よりも大幅に遅れました。
(7)第2回未来のSAPPORO創造レシピ審査委員会については、未来のSAPP
ORO創造委員会メンバーが5名しかおらず、人手不足が生じました。
(8)本例会については、さっぽろオータムフェストの西6丁目会場というオープンス
ペースで、かつ、雨天であったため、数に限りがあるテントのある座席を予め確
保することが出来ず、多くの参加者には立ち見を余儀なくされ、会場の雰囲気と
の一体感が欠けてしまいました。
(9)委員会プレゼンテーションについては、雨天であったため、会場中央に設置して
いたテント内に来場者が集中し、客席とステージの距離が離れてしまい、さらに
その間を来場者が往来することから、客席との一体感をもった演出をすることが
出来ませんでした。
(10)アンケートおよび無料試食券配布については、時間を多く用意しておりましたが、
雨天のため、参加者が悪天候により帰ることを懸念し、大賞・優秀賞受賞者の表
彰とアンケート及び無料試食券配布を同時並行に行ったため、当初の予定よりも
約20分早く本例会が終了してしまいました。
 
【次年度への引き継ぎ事項】
(1)レシピ募集については、オープンテーマではなく、募集テーマを絞ることで、レ
シピ考案のきっかけを与える必要がありました。
(2)レシピ募集及び協力店募集については、一般市民により本事業を認知してもらう
期間、本事業に参加するためにレシピを考える期間を勘案することで、適切な募
集期間を設定する必要があります。
(3)大賞レシピについては、大賞レシピの審査基準として、提供しやすさといった審
査項目を追加することで、広く協力店を確保する必要があります。
(4)審査委員会応募要項については、写真添付が必須であることを明記することで、
写真添付の周知を徹底する必要があります。
(5)審査委員会の会場については、複数の場所で実施する場合、審査委員に今回はど
ちらの会場なのかを予め連絡し、間違いがないように配慮する必要があります。
(6)審査委員会進行については、試食及び寸評の時間をゆとりなく組むのではなく、
臨機応変な対応が出来る程度の余力をもった時間設定が必要でした。また、審査
結果の集計を迅速に行うために、審査結果記載の紙をレシピ毎にし、試食及び寸
評時間と同時並行で審査結果を集計する工夫が必要でした。
(7)審査委員会参加メンバーについては、委員会メンバーの動員を増やすために審査
委員会の重要性を周知し、人手を確保するとともに、人手不足解消のために、必
要に応じて、他の委員会への協力を求める必要がありました。
(8)さっぽろオータムフェストでの開催については、各会議・委員会と連携し、メン
バー集合時間を早めに設定し、会場での飲食をするなどして、さっぽろオータム
フェスト一般来場者と一体的に会場になじみむことで一体感を演出すると共に座
席の確保を行う必要があります。
(9)委員会プレゼンテーションについては、雨天であっても、会場との掛け合いをす
るなど、客席との一体感がでるような内容に工夫する必要があります。
(10)野外開催の対外例会については、雨天であっても、対外参加者を飽きさせないよ
う、対外参加者を巻き込める内容の設えと時間配分を工夫するが必要があります。
(11)無料試食券については、協力店の希望により本例会後に大賞レシピ考案者による
調理説明の機会を設けた後の提供となったため、本例会翌日からの提供が出来ま
せんでした。大賞レシピ考案者自身が説明しなくても作ることが出来るようなレ
シピ(指示書)を準備するなどの工夫が必要となります。
(12)webアンケートと紙媒体でのアンケートを併用する場合については、重複の有
無を検証できるチェック項目を設ける必要があります。
 
【総括】
この度は、ゼロから構築する本事業を担当させていただき、ゼロからの事業構築の難し
さ、札幌の食の魅力の奥深さを感じることが出来ました。個性豊かな魅力あるSAPPO
ROを創造するために、何が出来るかを考えたとき、身近で、かつ、札幌を代表する魅力
である「食」に着目し、一般市民と一緒に、更なる札幌の魅力を創出する事業を行おうと
議論を重ね、Making of New Recipe~私達が創るSAPPOROの
魅力~をテーマとするレシピコンテストを行うこととしました。さらに、世界的に著名な
三國 清三 氏、上村 雄一 氏を審査委員としてお招きし、本事業に華を添え、かつ、
レシピにも重みを与えることが出来ました。メンバーのみならず、一般市民からも多くの
応募をいただき、大賞となられた方が壇上で涙する姿を見て、個性豊かな魅力あるまちS
APPOROの実現に向け、市民自らが新たな魅力を創出する機会を提供する最初の瞬間
に立ち会えたと感じました。さらに、メンバー全員の協力があって、レシピが集まり、メ
ンバー以外の飲食店での大賞レシピの提供も実現出来ました。これにより、メンバーが個
性豊かな魅力あるまちSAPPOROの実現に向け、新たな魅力を創出することが出来た
と思います。最後に、このような素晴らしい事業となったのは、ひとえに各会議・委員会
の垣根を超えて、ご協力いただいたメンバーの力があってこその賜物であり、このような
事業を担当させていただきまして、誠にありがとうございました。