常任理事/地域創造室室長 津田直人

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常任理事/地域創造室室長  津田 直人

 

 2013年度のLOMが置かれた状況として、創立60周年や国際アカデミーの開催を経て何か感覚的にある種の虚脱感や空洞化がメンバー一人ひとりの心に抱かれているのではないか、もしそれが本当だとすれば必ずや打破が必要なのではないか。一常人理事が差し出がましいようではあるが、この大役を務めさせていただくにあたり、そのような考えを巡らせながら一年間のスタートを切らせていただきました。

 

 地域創造室を構成する地域の絆創造委員会と地域のたから創造委員会では、共に入会を2010年度とする佐々木委員長と赤地委員長を筆頭に、文字どおり地域の絆と地域のたからを創造するための運動を展開していただきました。入会4年目の両委員長と如何にして運動に取り組んでいくのか日々葛藤を続け、上半期の間は各種〆日の際には一緒に事務局で常務理事・専務理事確認を取ったことも多くありましたが、そのような地道な積み重ねを経て、地域の絆創造委員会では、絵本というツールを活用した運動を展開することで子どもの感性を育みながら、その子どもと大人とが一体となってコミュニケーションを図ることを可能とするアクションプランを市民に提案することができましたし、地域のたから創造委員会では、札幌丘珠空港を地域のたからと見立てた運動を展開することで、私たちが住む札幌に潜む資源に目を向けることの重要性やその資源をたからの持ち腐れとせずに磨き上げ活用していくことの必要性を多くの市民に発信することができました。そして、いずれの事業も、とりわけ新聞を中心とした多くのメディアに取り上げていただくことができた結果についても、少なからず市民の皆様の需要に見合う運動ができていたからに他ならないと感じています。

 

 また、どちらの委員会もまちづくり系の事業を担う中で、日々の活動を通じて実に多くの一般市民や団体、行政と協働する機会を得ることができたのではないかと実感しています。JCはよく意識変革団体やまちづくり実践団体と言われたり、率直にひとづくり団体と形容されることも少なくない中で、自らの担いを通じて、自らの担いを上手に活用して、実に多くの市民と対話をもち、そしてその間に溶け込みながら前向きにしっかりと地に足を着けて私たちの住むここ札幌の未来について創造する礎を築いてくれたことに、冒頭で記述した創立60周年や国際アカデミーを経た後のギャップにおける心配事については、個人的な取り越し苦労であったと感じました。

 

 しかし同時に、絵本の読み聞かせを通じて人間同士のコミュニケーションを円滑にするためには連綿と多くの時間をかけることが必要であり、一度その利用方法を脆弱化させた地域の空港をあらためてまちづくりの強い基盤と位置づけようと地域住民の理解を得るためにはあまりにも多くの時間と労力をかける必要がある、まちづくりとは本当に息が長く根気のいる運動なんだという事実に、この両委員会は気がつき、そして理解してくれたのではないのでしょうか。

 

 札幌青年会議所では原則、単年度制を用いた運動への取り組み方を行っております。しかし、石の上にも三年、ローマは一日にして成らずなどといった慣用句に代表されるように、一般的には何事にも継続性や持続性の中に物事を築き上げる磐石さが求められることが多い訳ですが、一度は着地点を迎えた2013年度地域創造室の両委員会メンバーに於いては、引き続き個々のレベルでしっかりと市民と向き合うことを忘れずに過ごしていただき、自分たちがひた向きに取り組んできた運動の一つひとつを立ち消えさせたり風化させたりするのではなく、しっかりと後世へと伝えていくための工夫や試行錯誤を重ねていってくれることを願ってやみません。

 

 

 

 もしあなたが、近くの図書館に立ち寄った時に地域の絆絵本を読み聞かせている親子に出会えたなら、それは地域の絆創造委員会が市民一人ひとりに互いを思いやる気持ちを育んでもらいたい一身で取り組んだ証だと感じて下さい。

 

 もしあなたが、仕事で東京へ出張する時か家族でディズニーランドにでも遊びに行く時に、丘珠空港からジェット機を利用して往来する日が訪れるなら、それは地域のたから創造委員会が身近に潜む地域の資源を見出し磨き上げる重要性を市民に向けて必死に発信した証だと感じて下さい。

 

 過去を変えることはできなくても、未来を変えることはできると信じ、誰もが安心して暮らせる、思いやりと魅力が溢れるまち札幌の創造を掲げ全メンバーを鼓舞し続けてくれた竹原理事長に、心から感謝申し上げます。