本年度の目指す運動

理事長からのメッセージ

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一般社団法人札幌青年会議所 2017年度 基本理念・基本方針

誰もが訪れたい、住み暮らしたいまち札幌の創造

基本理念

誰もが訪れたい、住み暮らしたいまち札幌の創造

基本方針

  1. 1.誰もが誇れるまち
  2. 2.世界を魅了するまち
  3. 3.暮らしを彩るまち
  4. 4.期待を集める組織
  5. 5.真に愛される組織

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理事長所信 - 一般社団法人札幌青年会議所 第66代理事長 神代晃嗣

はじめに

一般社団法人札幌青年会議所 第63代理事長 池﨑 潤

 鎌倉時代中期の武士、青砥藤綱のエピソード。ある日、彼は誤って川に10文銭を落とした。部下と共に探すが見つからず日が暮れたので諦めるかと思いきや、青砥は部下に50文銭を渡し町で松明を買ってくるように命じた。その明りによって10文銭は発見されたが、50文銭を費やした行為に疑問を感じた部下たちに伝えた青砥の言葉は、「もし自分が川底に沈んだ10文銭を諦めたら、永遠に10文銭が失われてしまうことになるから自分は天下に申し訳が立たない。しかし、費やした50文銭は町の人々のものになっただけで失われてはいない」と告げたという。
 私たちは、まちのために、市民のために、豊かな未来を見据え、あらゆる困難に立ち向かうことを宣言した青年会議所に在籍している。社会のあらゆる分野において常識が変化していく時代だからこそ、揺るぎない高い志を持ち、社会に良きことを為そうとする青年として、改めて公に生きるという意味を一人ひとりが理解する必要がある。
 約300年前に、経済の視点から日本人の倫理観を説いた石田梅岩の公に生きるとはどういうことかを問いかけたエピソードに私たちは、真摯に向き合い、青年経済人として掲げた理想に向かって有言実行し、未来に花開く新たなまちの在り方を示すべきときである。

全国大会レガシー

 札幌青年会議所は、2016年度より公益社団法人日本青年会議所が主催する全国大会の招致活動を行っている。2020年全国大会札幌大会を実現するためには実に多くのことを乗り越えなければいけないが、現役会員の力だけでは到底成し得る話しではない。私たちは三つの連携を大切にしていかなければいけない。一つ目は、私たちの最大の理解者であり、支援者でもある65年の歴史を紡いでくれたシニアクラブ会員との連携である。二つ目は、同じ志を持ち、同じ時代に社会を良くするべく行動をしている全道各地青年会議所との連携である。そして最後の三つ目は、自治体やまちの発展を望む市民、関係諸団体との連携である。私たちが2017年に取る行動の一つひとつが、まちに、会員に、関わる全ての人たちに影響を与えるという自覚と責任を持たなければいけない。
 全国大会を通して北海道、札幌の更なる発展につなげる。北海道開拓の父島義勇が、札幌を世界一の都市にするべく描いたビジョンから受け継がれてきた開拓者精神を全国に広め、同志と共に日本の発展に寄与をしていく。全国大会札幌大会が関わったすべての人、まちの発展につながる全国大会レガシーを生むかどうかは、2017年から始まっている。

札幌の可能性を引き出す

 あなたは本当に札幌の魅力を他人に伝えることが出来ているだろうか。札幌は、豪雪地域において世界最大であり、食資源において世界中から注目されている北海道の中心であり、150年にも満たない歴史において稀にみる成長を遂げた都市である。果たして食が美味しい、自然が豊かという誰もが口にする今の在り方のみで本当に札幌の魅力をすべて理解していると言って良いのであろうか。
 自分たちが生まれ育ったまちを知るための最良の方法は二つあると考える。同じような環境を持った場所との比較と、異なる文化を持った場所との比較である。どちらの方法についても、その地域の歴史や環境を知る、その土地へ行き現地の人々と交流する、ということが必要になるであろう。また、よそ者の目を介して初めてわかる事実もある。北海道が、札幌が、外の世界からどのように評価されているのか、私たちは全国大会を招致するにあたって改めて札幌の本当の姿を見つめ直すべきときである。

新たな人の流れを生み出す

 さっぽろ雪まつり、すすきの氷の祭典、さっぽろオータムフェスト、サッポロ・シティ・ジャズ、さっぽろホワイトイルミネーション、YOSAKOIソーラン祭りなど大通公園、すすきのを活用した国内外で有名なイベントが札幌には多くある。どれも北海道札幌の魅力、強みを活かし発展を遂げてきたイベントばかりである。しかしながらまだまだ札幌には眠っている、余っている資源がある。2013年に、ある旅行会社の人気急上昇都市ランキングにおいて、札幌は世界で7位、アジアで2位に選ばれたこともあるこのまちの潜在力は計り知れない。
 人の流れを生み出す。新たな価値を生み出す。まちづくりにとって大切な要素として遊び心を忘れてはいけない。一見突拍子もないアイデアや商品がまちを一躍有名にしたという事例は、日本だけではなく世界中至るところにある。今ある強みを活かす一方、遊び心を持って常識やしきたりから飛び出した先に札幌の新しい姿がある。

世界の潮流を読む

 平成26年5月、国家戦略特区が東京を始め6カ所で指定され、現在は12カ所の都市が取り組みを行っている。私たちが住み暮らす札幌の強みとは一体何であろうか。今まちづくりは公から民へ、民主導といった形が多くなってきている。国家戦略特区を取得し自分たちの強みを最大限活かし、まち全体で活性化を図る、岩手県紫波町のように補助金に頼らない新しい公民連携の形でまちの活性化を図るなど様々な切り口でまちづくりは行われている。
 また近年は働き方において大きな変革の時期にあると言われている。AIという最先端の技術により今後は人と機械の住み分けに大きな変化が起き、そう遠くない未来に私たちの想像出来ない世界となっていることであろう。世界の潮流をしっかりと見極め、自分たちの仕事や自分たちのまちと如何に融合させていくか、変革の時代に生きる私たち責任世代の決断が次世代に大きな影響を与えることは間違いない。

社会に良きことを為す

 企業の社会的責任、人として生きる喜び、今企業の存在価値や働く意義が大きく変わってきている。
度重なる震災によって、身近な人や地域とのつながりの大切さを意識する人々が増えたことは間違いないが、利益だけを追い求め社会全体が成長を遂げられる時代はすでに遠い昔である。
 日本人は古代から資源が有限であることを知っている。江戸時代からリサイクルのシステムが機能していることからも、在るものをいかに社会で共有するかを大切にしてきた歴史をすでに持っている。日本の風土が培った精神性や日本資本主義の父と呼ばれた渋沢栄一、またその手本となった石田梅岩が確立した日本式経営に再び注目が集まっている。価値観が多様化し、同じ政策で成長出来る時代ではない以上、行政の画一的なサービスだけでは立ち行かなくなる地域が今後増えていくであろう。まちのことを想い、まちに善い行いをする経営者を増やすことは今後のまちづくりにおいて最大の課題である。「目的には、理想が伴わねばならない。その理想を実現するのが、人の務めである」という渋沢栄一の言葉が今改めて輝きを放っている。

JCのプライオリティ

 青年会議所が必要な理由とは何であろうか。私たちにしか出来ないこととは何であろうか。私たちは青年の大切な時期を、まちのため、家族のため、仲間のために費やすことを約束し行動している。自らの時間を公に費やし、社会のために尽くすこの団体は、札幌の明るい豊かな未来のためになくてはならない存在のはずである。しかしながら私たちに共感し、共に行動する同世代の少なさを事実として重く受け止め、この団体の魅力と必要性について改めて見つめ直し、伝えていかなければいけない。
 何かしらの社会に所属して生きている私たちは、誰かから期待され、その期待に全力で応えたときに、心からの喜びを感じることが出来る。より強い結束でつながっている青年会議所会員であるからこそ、改めて公に生きることの意義を自らの行動で市民に示すべきである。そして期待されていることをすべての会員が感じることが出来て、期待に応えようとするすべての力を一点に集中させる環境をより強固にし、札幌のまちに大きなインパクトを残していこう。

市民の声に寄り添う

 人類の歴史を見ても明確なことが一つある。衣食住足りて礼節を知る、という言葉があるように、衣食住が満たされて初めて文化、文明が生まれる。文化、文明は娯楽、スポーツ、芸術など人間が生きる上で本来必要ではないが、生きる希望や意味を教えてくれる最も偉大な発明であると言える。誰よりも速く走る、このたった一つのことを追求し続け、人々に感動や夢を与える存在になることが出来る社会を人類は作り上げてきた。
 現代社会においては、成熟社会を迎えることと市民の満足度は比例しない。市民が感動や夢をもっと身近に感じることが出来たら私たちが住み暮らすまちはもっと素敵になるであろう。今、私たちが暮らすまちの課題や市民が本当に欲しているものを明確にすること。課題や望みを把握したうえで遊び心溢れるしかけを、考えられ得るすべての関係諸団体と展開をしていきたい。

規律ある自由な組織

 今も合併され名前を残してはいるが、金剛組という創業578年の世界最古の企業が平成の時代まであった。その歴史を守れなくなった最大の理由を、最後の経営者は先祖代々決して破ることのないようにと言われていた家訓を破ったことが理由の一つであろうと自戒をしていた。
 組織とは何であろうか。私たちが生きている社会もそうだが、組織も生き物である。複雑になればなるほど規律が必要になり、またその反面規律ですべてをコントロールしようとすると何かのきっかけで崩壊してしまうのも歴史を見れば明らかである。規律と自由。組織を運営していく上で目を背けることの出来ないこの相反する要素を、時代に合わせながら保守と変革を繰り返し進化をさせていく。時には大胆に変えるべきことは変え、普遍的に変えてはいけないものが何であるか見極める必要がある。

ホスピタリティ溢れる人材

 ホスピタリティという言葉が一時期流行した。世界の流れを見ても、社会のためにならない企業や団体は今後より淘汰されていくであろう。私たちのような団体もその流れから外れることは出来ない。青年会議所は恒久的な世界平和を目指す国際的なネットワークを持つ団体である。札幌青年会議所が世界平和に貢献するためには、自らが住み暮らすまちを豊かにし、その影響を近隣地域へと波及させていく必要がある。
 私たちは特別な団体では決してないが、行政やあらゆる企業、団体との関わりを駆使することが出来る唯一無二の団体であることは間違いない。私たちにしか出来ないことを活かしまちに最大のインパクトを与えるために、ホスピタリティを最大限発揮し日本青年会議所、北海道地区協議会を含めあらゆる連携を強固にし、私たちの運動をより広げていきたい。

むすびに

 星の王子さまの作者であり、飛行航路開拓にも携わったパイロットのサン=テグジュペリは偉大な言葉を多く残している

「船をつくりたいのなら、人を森に集めたり、仕事を割り振って命令したりする必要はない。代わりに、皆に広大で無限な海の存在を説けばいい」

「完璧がついに達成されるのは、何も加えるものがなくなったときではなく、何も削るものがなくなったときである」

「本当の贅沢というものは、たったひとつしかない。それは人間関係に恵まれることだ」

JCに入会し、JCで自らを知り、JCですべきことに立ち向かい、JCでかけがえのない仲間に出会う

この三つの言葉はJCで経験しなければいけないことを凝縮しているように私は感じる

あなたの前にはあなたにしか出来ない、やるべきことが実に多くある

さぁ、共に進もう

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